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COVID-19と 国内観光地(奈良)

(奈良)

今回のフィールドワーク中最重要観光地が奈良です。言うまでもなく、一年を通して国内外からの観光客が県内各所に点在する有名観光地を訪れ 近隣の京都、宇治、伏見、大阪、神戸との多層回遊が可能で交通の便にも恵まれている国内有数の観光都市です。

JRと近鉄の奈良駅には伊丹空港と関西空港からの直通バスが運行していて、駅から徒歩圏内に奈良公園、奈良国立博物館、東大寺、正倉院、興福寺が並びます。イメージ的には(歴史のバックグラウンドは異なるものの)鶴岡八幡宮、建長寺、長谷寺、高徳院を有する鎌倉市の徒歩観光に似ているように感じます。

駅前の商業地区から奈良公園エリアに入って先ず感じるのが調和のとれた色彩と統一感のある風景でしょう。周囲には視線に入る高い建物がなく東大寺から北東方向に若草山が一望できる開放感は格別です。

飲食・物販13店舗が入る便利な商業施設「夢風ひろば」が東大寺の門前にありますが、絶妙な設計で煩わしさを感じさせないのは流石に古都の景観を保つ行政の手腕であると感心します。

訪れたのは2月最終の週末で、既に中国、韓国と日本各空港を結ぶ国際線に加えて国内線の一部も減便、運休になっており TDR、UFJ なども次々休館、大型イベントの中止が相次ぐ中 ご多分に漏れず奈良国立博物館も前日2月27日から3月15日まで臨時休館になってしまいました。

個人的に、同博物館に収蔵されている海住山寺の四天王像との再会を楽しみにしていたので臨時閉館二日後が悔やまれます。

気を取り直して訪れた興福寺国宝館、東金堂、五重塔はほぼゼロ観光客の状態で心静かにお参りすることができました。驚くべきは、国宝館の乾漆八部衆・板彫十二神将・天燈鬼・龍燈鬼・銅像仏頭など普段なら人ごみにもまれて一瞬垣間見るだけで満足すべき国宝、重文とゆったりゆっくり対面することができたことです、恐らくこれからも何度か興福寺を訪れる機会は有ろうかと思いますが、誰もいない場所で阿修羅、五部浄と対面できることは最初で最後であろうと思います、この時ばかりは本来の旅の目的であるフィールドワークを忘れた瞬間でした。

観光客の姿が消えたのはその後訪れた東大寺も同様で、大仏殿には10人ほどの日本人観光客の姿しかありません、ほんの 数ヵ月前の行楽シーズン中の土 - 日曜日は観光バスが駐車場に溢れ、古都の風情を求める国内外の観光客でごった返して、一つ200円の鹿せんべいが飛ぶように売れて、鹿に袖を咬まれる観光客の悲鳴があちこちから聞こえていたのがまるで嘘のような異様なほど静かな光景に唖然としてしまいました。たった一つのウィルスは世界中に新型肺炎を齎し国内の主要観光地のオーバーツーリズムを解消しただけでなく、必要最小限の観光客すら消し去ってしまったのです。

因みに、翌2月29日は土曜日でしたが、午前10時に訪れた法隆寺、中宮寺いずれも前日の興福寺や東大寺と同じくほぼゼロ観光客状態でのお参りとなりました。雨の中 法隆寺五重塔の初層四面の釈迦塑像は、二人の若い女性とシェアすることになりました。霧雨の中、金堂に思惟半跏する如意輪観音菩薩の謎めいた微笑みが1400年の時を経て愚かな衆生に何を語ろうとしいたのでしょう・・・・

​  法隆寺